きもの寸法の決め方
@着物リメイク・和装コートオーダー 美どり
HOMEへ
きもの寸法の決め方

1)身丈 ・・・・女物はおはしょり分があるので、身長分を背からの身丈に作るのが基本です。腰ひものとめる位置で個人差が多少ありますので、着慣れてきてから正確に自分の好みで上がり丈を決めていくと良いでしょう。

2)裄(ゆき)・・・ 下の図を参考に決めて下さい。

3)腰回り・・・・・・ 下の図の要領で腰回りを測り、身巾寸法表で割り出してください。

 先ずこの三つの寸法を基本にすれば、きもの寸法は決められます。
その他、袖丈、袖口、袖付け、繰越などは、標準の寸法が大体決まっていますので、好みに応じて少し加減するだけで良いでしょう。

きもの寸法は、洋服と違ってまとうものですから、昔からある程度許容範囲をもって寸法を出しています。つまり、洋服ほどピッタリの寸法には決めていないのです。
ただし、着慣れるほど、着る方の好みで、寸法が決まってくるものですから、それによって正確にしていけば良いと思います。
        

以下参考として
●身丈と着丈の違い

・身丈とは、きものの出来上がりの長さのことです。

・着丈とは、着付けたときのきものの長さのことです。

女性の場合は、身丈−着丈は、おはしょり分になります。
男性の場合は、おはしょりをしないで着ます(つったけで着る)ので身丈=着丈になります。

*着丈寸法は、背のぐりぐりから着用の時に決める裾の位置(くるぶしの下くらい)までを測ります。

●背からの身丈と肩からの身丈

背からの寸法は、背縫いの上はえり付け線から裾線までの寸法です。肩からの寸法は、肩山から裾線までの寸法です。
・肩からの身丈−背からの身丈=繰越+付け込み(縫い代) になります。

袖丈・袖巾について

・袖丈は、標準を1尺3寸(49cm)として、それから好みに合わせて加減すれば、いいでしょう。
きものを普段着に着る方は、あまり長いと邪魔になるため少し短めの1尺2寸くらいにしたり、元禄袖といって丸みを大きくする方もいます。若い人は、少し長めの1尺4寸から1尺5寸くらいにするのもいいでしょう。

・袖巾は、裄丈の長さからバランスを取って決めています。洋裁のように、実際の肩巾に合わせていれば、袖巾が長くなりすぎて反巾が足りません。
袖巾と肩巾の割り振りは、後巾と肩巾との差が極端にならないようにできるだけバランスをみて決めた方が良いです。

・参考   コート類は着物より 袖は5分位短く、裄は2分ほど長くします。

●裄丈について

・最近は、昔に比べて、裄を長く着る方が多くなりましたが、反物の巾いっぱいで裄を割り出す時の目安を説明します。

仕立ての時には、必ず縫い代が必要です。この縫い代がどのくらいで出来るかが、反物によって違うので、難しいのです。

簡単には、反物の巾から6分(3cm)を引いた寸法が大体のギリギリと覚えましょう。

 例えば、反巾 9寸8分(37cm)−6分(3cm)=9寸2分(34cm)といった具合です。

   肩巾9寸2分+袖巾9寸2分=裄1尺8寸4分がいっぱいです。 

但し、注意として 反物には、両端の耳という部分があります。この部分が太い大島紬の反物の場合や紬でなくても耳の糸がきつくて詰まっているような反物は、あまり耳の近くをギリギリに縫えません。なぜなら、袖口や振り、背縫いがつれてビリ付く原因となって仕上がりが悪くなる可能性があるからです。

正確に言うと 耳の巾が1cmならば、その切れ目から3mmほど中に入った所からもう一方の同じ位置までの長さと考えてください。これは小紋の場合ですが、訪問着などのように柄のつながりが袖付けにある場合は、この限りではありませんのでご注意下さい。       

●身巾寸法について

前巾・後巾の寸法は、腰回り(ヒップ)寸法を元にして割り振りした寸法表を元にして決めて下さい。

寸法表の寸法は、実際のヒップ寸法よりは、少しゆとりを持たせて決めてありますので、1cmぐらいの誤差は気にする必要はありません。
ゆとりを持たせているのは、メジャーで測るようにぴったしの寸法にすると立ったり座ったりした時に余裕がなく、すぐ、着くずれてしまう原因になるからです。

☆前巾と後巾寸法の標準的なバランスは、

      ・女並寸法 前巾60 後巾75  
      ・男並寸法 前巾65 後巾80   

          のように後巾−前巾が1寸5分になるようにしています。

これは、この差がえり付けの関係から、一番きれいにできる寸法のバランスだからです。

あまり極端に前巾ばかり広くした寸法は、えり付けの関係から抱き巾が広くなりすぎる場合がありますので、ご注意下さい。

普通の体型の方で、お茶やお花の稽古ように前巾を少し広くして、作られる方は、抱き巾が広くなりすぎないように仕立て側に申し伝えることをお勧めします。

HOMEへ